2025年01月16日

映画 『サウンド・オブ・フリーダム』 感想

映画感想
『サウンド・オブ・フリーダム』
2024年10月鑑賞




公開館すくな!というのは聞いてたんですけどほんとに少ないんですね
全米ナンバーワンとか煽りついてるものなのにこんなに少ないんだ
これもあらゆる上映を阻む障害()のひとつなんですかね…怖いよ世界
予告をみて気になっていたので公開されたらみようと思ってました

◆あらすじ◆
主人公はアメリカ捜査官ティム
ペドフィリア()犯罪者を300人近くもつかまえているベテランだが、いくら犯罪者を捕まえてもこの残酷な状況から子どもを助けだす事は出来ていないと葛藤を抱えていた(助けていると思いますけどね…)
捜査官の仕事から踏み出し、自ら小児性愛者のふりをする囮捜査により彼はひとりの少年を助け出す
その少年ミゲルの姉もまたさらわれており、助けてほしいと懇願されるが…

image2sof2024.jpg


※以下ネタばれあり

まずグロくないです!!
直接のレイプや残虐シーンはないので大丈夫
ただもちろん間接的にはあるし辛いシーンは多いです
子どもが怯える顔をみてるだけで辛いですよね…

クズもいますがいい人もいます!
主人公も恐怖より希望をみようみたいに言ってました

捜査でお出かけが多い主人公なので、異国の感じが見てて楽しい
なんというか、観光地ではないので一生味わえない感じのローカルな臨場感
日本でも有名な治安悪い地域目白押し!(昔の漫画の『バナナフィッシュ』でもやばい国と名前出てきた記憶が…)

子どもの役者さんがみんなかわいい…かわいすぎる
ほんとに天使!

見終わって、ポスター!?てなったんだけど
ポスターのナンバー2の位置なぜ彼??
顔面で選んでる?!
相棒は古田新太似のほうでしょうよ!
彼がバーンとポスターにいるのは超絶イケメンだから?!
世界観バグるくらいイケメン急に来たなと思うくらいかっこいいんですよね
(ただ別に相棒ではない)

このポスターのイケメン氏、この映画に唯一のクスッとくる時間をくれるんです
ほんとここしかなくない?!!
悪人ぽさをレクチャーされるシーンで、教えられたことちゃんとしてかわいい
でも基本ちゃんとしたいい人なのですぐボロ出ちゃうのもかわいい
ペドブローカーに好みは?て聞かれたらどう答えるのがいいの?
年齢?人種?性別?
ゲスすぎ…

◆冒頭からおぞましい
ストーリーの最初はまさにさらわれる子どもたち目線
歌声が素敵、ぜひオーディションをと現れる華やかなスカウト女性に認められ、誇らしげな少女(かわいすぎる)
父親にねだってオーディションへ
道中のバスでも姉弟とても無邪気な様子

他にも集められた子どもたちと撮影に
みんな楽しそうにスカウトマンの指示に従いモデルさんのようにふるまいます
この写真、のちに売買カタログに使われるやつ…

父親が言われた時間に子供達を迎えにいくと、そこはもぬけの殻だった…
そして実際の子どもが誘拐される防犯カメラ映像が何本も流れます
これが怖い!
子どもなんて盗めちゃうよ軽いもん
必死に抵抗しても車に引きずり込まれてしまうのとかゾッとします
子ども3人でで遊んでるところにばっとバイクで来て乗せて立ち去っちゃって、残りのふたりが必死に追いかけようとするシーンとか悲しすぎる

最悪の冒頭から、捜査官サイドにいくのでちょっとホッとしたところにまたつかまえた犯人のコレクションの気持ち悪さが襲います
ここは主人公のお仕事紹介シーンなんですよ!
紹介シーンでこれかい!てなるよ
この捕まった犯人、主人公が実は俺もほんとはペドなんよって仲間のふりをするのにじょじょに心を開いていくんだけど、ペドの人も仲間に会えると嬉しいんだね…
彼が主人公に浮かれたメッセージ書いて渡したりとかオタクが同士見つけた!のノリに見えてしまって
性癖ってどうしようもないの?性分が反社会的なひともものすごく孤独や苦しみがあるのだろうけど
そういう性分に生まれてしまったのだとしても、頼むから理性で実行はしないでほしい
几帳面に子どもの出身地でアルバムみたいに作ってるのがまた…

◆主人公ティムの家族
理想のアメリカ家族って感じでしたね
夫多忙すぎて妻ワンオペ感ただよってるけど
年金資格10カ月前だけど今辞めるわ!って夫が言いだしたのに止めないのすごいよ妻…
年金!!年金がー!!

◆味方その1 バンピロ (ビル・キャンプさん)
古田新太さん似
長年ペドのふりして子どもを買って、そしてかくまって再スタートさせている
(秘密裏にするため親元には返せてないみたい?)もと反社幹部なのかな?
彼がなぜそんなことを始めたのか、のエピソードがすごくよかったです

ある日なんとなく買った売春婦が帰り際にサンダルを履こうとした
その時足の爪が見えた
爪には猫の絵のマニキュアがされていた
彼は売春婦を20から25くらいと思っていた
でもそこで、彼女は本当は幼いのだ、とわかり、彼女も彼が気づいたことがわかった
彼女は14歳で、6歳から体を売っていると言った

その出来事は津波のような衝撃だった、という回想で「津波」と発音まんまなのがおっと思ったのと、こういうとき、ハリケーンじゃないんですね
なんだろう瞬間的じゃなくもっと重いイメージなのかな
この津波のような絶望は彼女にとって自分という存在だと、ここでとっさに自殺しようとし、とどまってのちに子どもを助ける側として活動しだします

元反社なのでなにも怪しまれずにブローカーと接してるのすごい
主人公もだけど、本当は死ぬほどいやだろうに子どもを売る連中と仲良くするのきつい

◆敵側の人々
ゲスの役者さんの演技がすごすぎる!!
みなさん素晴らしい…ほんとむり(褒めてる…!)
人身売買業者たちで子ども50人用意したら高額報酬だよ!で笑い合うシーンあれはゾッとする
すごいですよ人間なのに人じゃないみたい
あの目がギラギラらんらんとしてる感じとかすごいよ…あの古田さんが最初に声かけたなじみのブローカーのひととくに
こんな役やったら町で石投げられちゃったりしないか心配

◆敵その1・ミスカルタヘナ?の方、どうしてそんな道にいったのか…
彼女のストーリーが知りたいよ
それこそスターを目指せたはずじゃない?なのに少年少女をスターになれると言って騙し連れ出す最悪の誘拐犯になぜなった
でも南米のTikTokerで美人でダンスとかしてたのに薬の売人でもあって殺されたかたもいたよね

スカウトのふりをして姉のほうを狙っていたところに弟も現れて、あらかわいいこね、名前は?と声かけるのがもう商品をみてるんだね…


◆敵その2・サソリ
恥ずかしげもなく娘っていうな!本当のお父さんは心を痛めて帰りを待ってるんだよ!

サソリはサソリで夜は仲間と宴会して歌いあったり普通に生活してる感じがまた
(反政府的集落?麻薬ビジネスしてる??)

サソリ歌うまいのなんなん
いい歌歌うのなんなんてなる


◆味方その2 イケメンのひと(エドゥアルド・ベラステーギさん)
『姉 〇才 職業 性奴隷』
の書き込みされた少女の写真渡される衝撃
ホテル編で最後に仲間になった彼ほんとにかっこよすぎる
主人公もベッカム似だけど

力になれないと去りかけたけどやっぱり仲間になってくれたシーン、熱いよね!!
ただただかっこいい

◆味方その3 川までついてきてくれた警察の人(名前わからない)
彼は古田新太とコンタクトとってくれたひとだよね?!
活躍がすごい!
ちゃんと待っててくれたのもありがとうだよ
よく土地勘ないのに逃げ切れたよね
ここのサソリ編はハピエンのためのボーナストラックって感じかも

『島での作戦で子どもを50人も助けた
しかしそこに姉はいなかった
現在も助けを待つ自由のない子どもたちはたくさんいる…』
っていう終わりでもいいと思うんです
そういう映画だし
でも姉の救出までみられるとやっぱり嬉しい
(そのあとのモノローグでまた落とされるけど)


◆だいじなもの
コインネックレス
姉から弟、弟から主人公へ託されただいじなもの

このアイテム、面識の無い姉を信頼させるために必要なアイテムだと思ってました
ゲームとかだと絶対そうだよね?!!

なのに主人公も焦っていたのか救出終わってから出してた
遅い!おねえちゃん主人公にビビッて悲鳴あげちゃったじゃない…

ネックレスといえばものすごい危険な地域に行くのに金のネックレスしてたよね古田新太
あれ強盗されそうでこわかった
彼もナチュラル反社だからルックスが…


◆子どもから目を離しちゃいけない
ほんとに子どもから目が離せなくなる映画かも…
連れられてる子がほんとに父子か母子かなんてわからない…

◆ペド犯罪者はつかまりさえすれば刑務所の中で受刑者に処刑されるということ?それはペド犯罪者も必死に捕まらないようにするよね
犯罪者にも嫌悪される犯罪ということか

ロリコンショタコンはまだ口に出せる言葉という感じがしますが(いや言わんけど)
ペドフィリアはほんとに口にするのもって感じがします
ちなみに10歳以下
ミゲルが7?8歳です
その姉も10歳くらいかな

ペドフィリア
ハイジコンプレックス
アリスコンプレックス
ロリータコンプレックス
と意外にこの中だとロリコンが一番年上なんですよね
初めて知ったときびっくりした

◆ラスト、姉も助かって家族と再会、映画の終わりに現状を伝えるモノローグが入ります
主人公のモデルとなった人物はこの作戦により100人以上の子どもを助け、10人以上の犯罪者を検挙という成果をあげた
けれど、奴隷が合法だった時代を含めても(!!)いま世界には最大の人数の奴隷がいて、
そのうち320万人(て書いてあった気がする)が子供だ、と
アメリカはその最大の輸出先であり、消費国(!!)だと

そして主人公役ジム・カヴィーゼルさんからのメッセージが流れます
映画としては異例で、ここは撮影OKと表示がありました

映画はできてたのに何年も公開できなかったのを『あらゆる障害』って
訳されてた気がします
…深読みしたくなる障害
エンディングに名前の出ているみんなが熱をもって動き、なんとか公開できたとのこと


この映画は子供が性の道具として取引されることがメインの作りですが、臓器売買などの問題もありますしね…
子供が安全に確実に成人できる社会でないといけないのに
考えさせられます

◆タイトルの自由の音は人それぞれ違うものなんでしょうね
映画では少女の歌声、たたく太鼓の音
子供たちが手遊びしたり歌い笑いあうしぐさなど表現されています

子供が遠慮せず、おびえずに自然に声をだして歌ったり笑ったりはしゃいだりするのは当たり前なのに今もそれを奪われて生きていたり殺されてしまう子供がいるという現実を知らされる映画でした
posted by イナ at 15:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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