■泣くよ……何回見ても号泣ですよ……。本当に反戦を啓蒙するためにもずっと再演を繰り返してほしい。映画とかにはなってないのかな?。
■あらすじ
ベトナム戦争中のサイゴン。アメリカ兵士のクリスと売春婦のキムは愛し合っていたが、サイゴン陥落の混乱の中離れ離れに。クリスはアメリカに戻り別の女性と結婚。キムはクリスの子を産み、戦後の混乱を必死に生きていた。いつかクリスと会える日を夢見て。そして数年後、ふたりはまたベトナムで会うーー。
■キム(昆夏美さん)
この日の公演のお見送りが昆ちゃんでした!(帰る観客を出口で見送ってくれるというサービス。たまにある)。白いアオザイ姿で超かわいい!にこにこして、両手で手を振って最後までお見送りしてくれてました。お疲れさま。お見送り嬉しいよね。
昆ちゃんキム、よかったです!!
強い歌声、いたいけなくらいの幼さと、熱血な感じがキムにぴったり。『レ・ミゼラブル』のエポニーヌと同様に、すごく彼女に合ってると思いました。若いし、これから何度もやってほしい。
ちっちゃくて顔も子供みたいに小さいので、原田クリスと並ぶと少し犯罪ちっく。
ちょっとセリフが聞き取りにくい時がある気がする。
マイクがおでこ…(>_<)。私の嫌いなナメック星人だよ!。でこのがやりやすいのかなあ…(ずれにくそう?)。でも美的にはよくないよね。絶対ほっぺのがいいのに。
クリスと愛し合い、幸せなのは一幕の前半くらいだけ。本当に束の間の幸せ。家族を空爆で失い娼婦にならざるを得なかった少女の人生の、もっとも幸せな時間。もうここから泣ける。
サイゴン陥落で、米軍は脱出。我先に逃げようとする混乱の中で、ふたりとも必死に会おうとするけれども会えないままキムだけ取り残されてしまいます。
ひたすらに再会を待っていた恋人が、別のひとと結婚してて、子供を引き取ってくれそうにもない。その絶望。
クリスと会う前に仕事がある、と静かに息子に言うのがせつない。死ぬのが母としてできる最後の仕事なんだよ。20そこそこの子が。キムを幸せにできなかったクリスへの憎悪…………俺辛いよPTSD?だよぉっ!てわかるけどふかふかのベッド、整った身なり、籐の椅子……その暮らしがぼろぼろのキムと違い過ぎて。キムなんて、息子とトートバッグいっこしか持ってないんだよ。へこむ…。
クリスと話し合わず、ジョンやエレンの話を聞いてキムは自殺を決行してしまうので、ふたりが会えてたらなあと思ってしまう。結末は変わらないのかもしれないけど。
何かのシーンで、息子(役の子役さん)が違う動きをしてたみたいで、昆ちゃんがぐいっと手をつかんで位置を直してたのが面白かったv。子役さんほんとにちびっ子なのでね。
修羅場ばかり目撃する息子なので、子役さんの心が心配…(なくらいひどいシーンが多い。トゥイに殺されかけたり)。おめかしした衣装がミッキー柄トレーナーでええええ?!てなる。なんでそんなアメリカナイズした服持ってんの…。前みたときはミッキーじゃなかった気がする。
■クリス(原田優一さん)
アメリカ人にしてはあっさりお顔の原田さん。
本当に歌がはっきり綺麗。聞きやすいし声も高めで伸びやかだしいいよね。高音もぜんぜん余裕ある感じ。
クリスは彼みたいに高くてピーンって声のかたで、ジョンが低めで優しい声、って対比のイメージある。
クリスはいい人だし誠実だし、ちゃんとキムもエレンも愛している。のはわかるんだけどクリス貴様…!!という思いは消えない。原田さんはマリウスとかクリスとかお前は生き残るのかよ!なキャラをよく演じてますね。
■ジョン(岡幸二郎さん)
ジョンの存在感……!!
岡さんのすごさ。岡さんはほんとにジョンだな!。でも岡さんオーラと貫禄ありすぎて、一兵士というには…。将官佐官クラスじゃないとおかしい。
戦時中のジョンはちょっとやさぐれてて(贔屓の娼婦にひどい対応したりしてた)、戦後は人権運動家みたいになってて別人のよう。ポロシャツインだし。
二幕はジョンのターン。
『ブイドイ』の歌は、真ん中で歌うジョンと、背後の映像もあり泣ける……(動画で『ブイドイ』と呼ばれた子達や母親が映ってる)
でもなんで歌詞が「地獄で生まれたゴミ屑」なんだろう……ゴミ屑って。
ブイドイ、はアメリカ兵士(に限らないのかな?ほかの国も参戦してるよね)とベトナム現地の女性の間に生まれた混血児ということなんだけど、キャスト大木智貴さんのブログによると、「靴の裏についた犬の糞」という意味なんだそうです。
日本訳の「ゴミ屑」よりひどいですね……そのくらい差別の対象だった(北ベトナム側が言う蔑称ってことかと)。
父親は国に帰還してしまい戻ってくる当てもなく、異国の顔立ちの子供を抱えたお母さんは、「キム」はたくさんいたんだと思うと、この歌のメッセージの強さがさらに伝わる気がします。
歌詞は
「名はブイドイ
地獄で 生まれた ゴミ屑
我々の すべての罪の証拠だ
忘れない 彼らは みんな我らの子」
と元米兵の目線から歌われています。彼らを救おうという組織が戦後立ち上がり、ジョンはそこで働いているようです(子供にも母親にもひどい差別があったようです)。
ジョンはクリスとエレンが出した結論(お金で解決!)に苦い顔をしていて、あのとき一番状況をわかっているのはジョンなんだよね。キムに会ってるし。キムはお金が欲しいんじゃなくて、子供をアメリカに連れていってほしいんだよー。子供にブイドイとしてベトナムで生きていかせたくない。自分もクリスと行きたかったけど、叶わないなら子供だけでも連れていってほしい。母親がいない子供だけなら連れていってくれるだろう、って考えての自殺なんだよね。
上原理生くん好きなので、彼のジョンも見たかったです。年がだいぶ違うので、立ち位置の違うジョンになってそう。
■エンジニア(筧利夫さん)
『ミス・サイゴン』を象徴する人物・エンジニア。市村正親さんの休演のため、筧利夫さんが急きょの出演でした。お稽古期間とか大変だったと思うんだけど、ひょうきんで、すごく素敵なエンジニアでした。
ソロ曲『アメリカン・ドリーム』は『ブイドイ』とかでうううう(涙)のテンションに挟まってくるのでここだけ楽しくなる。楽しいだけでもないんだけど。
エンジニアもまたブイドイ(植民地時代?のフランス人との子だよねたしか)で、アメリカに渡って人生を変えたいと願い続けてかなわないベトナムの人間なんだよね。才能もありお金もあっても、ビザだけは手に入らなくて。
筧さんのオールバックはほんとにうさんくさい女衒ぽさ満載。
市村さんへの応援メッセージを送れるコーナーが劇場ロビーにあったので、私も参加してみました。またエンジニアやファントムを見せていただきたいです!。
■トゥイ(神田恭兵さん)
キムのヤンデレ婚約者。
元北ベトナム軍のひとで戦後に新政府の幹部?という認識でいいのかな。ホーチミンの銅像?怖いよー。なにあの大きさ。
トゥイのヤンデレぶりが愛しい。
キムとの対決曲、かっこよかった!
二幕は亡霊として登場。
トゥイがキムの子を殺そうとするんだけど、嫉妬や憎しみもあるんだろうけど、ブイドイへの差別もあるのかな。キムにとっては生きる証、生きる力である息子は、トゥイには生き恥にしか見えないっていう。ここのトゥイの台詞とか、もう一回ちゃんと見たい。
■エレン(木村花代さん)
キムと対照的な女性。理知的で大人で裕福で、持ってるひと。彼女が悪い人ではないので、ほんとにクリスひとりがやな感じ。
キムの子より自分の子がほしいっていう感情だって、新婚の女性なら当たり前で責められる感情ではないし。
キム→クリス←エレンの歌はほんとにいい!。
のんきに(悪夢みてるけども)寝てるクリス……怒。
■観たあとげっそり…っていう、楽しいお話ではないけれど、たくさん考えなきゃいけないなあと思います。まず歴史をあまりわかってないことにしょんぼり。学校って近現代をあまり習わないから、このへんみんな曖昧ですよね?そうでもない?。
私のベトナム戦争知識は、漫画の『BANANA FISH』で主人公のお兄さんが参加してて、つらくて薬物に手を出してしまったっていうところから始まってます(本気で)。空爆で夜でも昼みたいに明るいっていうセリフとか、すごく怖くて今でも覚えてる。
2014年08月28日
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