■さらっと軽く読めます。で、じんわり気持ち悪い。そんな湊かなえ節炸裂な作品。
すごく面白いのか?、これが映画化ってどうなるのかなあ?と気になりますが、映画観損ねちゃったのでWOWOWかレンタルを待とうかなと。
■あらすじ
「白ゆき」という石鹸で有名な化粧品会社の美人OLが無惨に殺された。容疑者に浮上したのはその同僚の城野美姫(しろのみき)。名前とうらはらに地味な女性が殺人を犯したと思われる理由は、美しさへの嫉妬か、恋人を奪われた憎しみか?。
会社同僚、大学時代の友人、地元住人らの証言。聞き取りをしたフリーライター。メディア、ネットと情報の錯綜する中、真実はーーー。
■一人称の作品ならではの気持ち悪さがよかった!。その人の目線からの意見や、先入観、まるでそれが事実のように感じられる。でもそれ本当に真実なの?。とか、ひとりの人間を、家族が見たとき、同僚がみたとき、友人がみたとき、まるで違うものになる、その多面性とか。情報が過熱していくさまとか。
そしてフリーライターとか信用できない…………と不信感を持ってしまう……赤星……。
■城野美姫(容疑者)
名前負けの辛さがひしひしと。美人でないといけないプレッシャーが課せられた名前ってある。親も自分の子なんだから冷静に考えてほしい。この子の場合は名字とのコンボ、あと美人同期の「三木さん」との比較だから、名前だけならそんなにだけども。
彼女の『手記』の登場が早くてびっくりした。容疑者が語っちゃったらもうここで真相だよね?と。わりと早く事件の全容があきらかになって、終盤はその後の顛末になるんだね。
憧れの男の子とのやりとりを、彼女はアンとギルバートのように甘酸っぱく、彼側は不気味さと責任感で捉えてるのがせつない。
■赤星雄治(ライター)
いろいろと調子こいてる彼がほんとにムカつくんですが……。ちゃんとプロでやってるのか?と思ってしまうライター氏。
私はツイッターや2ちゃんねるをほとんどやらないのでとくに拒否反応が出ちゃってるとは思うんだけど、ついさっきの殺人事件で盛り上がって軽口叩きあう図やあおったりののしったりっていうのが見てて嫌。
赤星の書き込みの感じが普通なのか嫌な奴なのかわからないけど、自分だけが知っている情報をわざと小出しにしたり印象よくない。
でもリサコの書き込みは真相わかって読むと意味が変わってきて怖い……。
■三木典子(被害者)
この人の気持ち悪さ。
恐ろしいー恐ろしいーーーー!!。
一見美しくて素晴らしい人。けれど人のものを欲しがって奪うお姫様。
実際に殺害された動機は世間の思ったものではなく、横領の秘密を告発しようとしていたからなんだけど(でも金額的には大したことない横領だよね。高いっても石鹸…………もちろん横領だけども。会社によっては警察沙汰にしないで解雇で済むかもな気もする)
犯人は、三木典子に秘密をほのめかされた時点で会社にごめんなさいしていれば、だいぶ違う未来が待っていたはず。
ものすごい美人で性格が悪い人、なんだけど、性格の悪さの描写が陰湿ですごい。
意地悪されたひとにしかわからないような、あてこすりもされた本人しか気づかなそうなスキルの高さ。せっかく美人に生まれたのになんでこんな性格に?。
この子は本当は誰も好きじゃないのかと思うと(結局嫌がらせで人の恋人取ったりアイドルに近づいたりしてるので)、なんかせつないなあ。このひとからの目線はないので(死んでるとこからお話スタート)彼女の真意を知りたい気もする。
■谷村夕子(幼馴染)
スエット着てても美人。それが真の美人。
三木典子と対照的な美人でした。
夕子の取材をねじ曲げて記事にした赤星がほんとに腹立つ……。この作品記者不信にさせるな……。
■マンマロー
ツイッターみたいな?。ものらしい。
ここの部分のリアルさが楽しい。
アイドルの熱狂的なファンの書き込みがあるんだけど、さすがにこの勢いのファンって今は絶滅してる気がするv(彼は音楽の女神としかつきあわないとか)。
2014年07月14日
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