2017年08月05日

花組 『金色(こんじき)の砂漠』 『雪華抄(せっかしょう)』感想

■今日卑弥呼みてきました!
なのに今になって金色感想。



■『金色の砂漠』
 やっぱりウエクミは間違いない!という印象ですよね。
これからもあまりこき使わず、良い環境で良い作品をたくさん作ってほしいです!

 金色は設定がかなりラノベだとは思うんだけど…なにその風習笑、って思っちゃったんだけども……ラノベ設定のわりに話壮絶なんだもんな! ラノベわかってないくせに言ってるけど、ラノベぽいよね……?

 あと田中芳樹好きとしては、かなりアルスラーンな感じなのもちょっぴり気になる……けど……

アルスラーン=かのちゃん
ヘルメス=みりおさん
アンドラゴラス=ちなつさん
タハミーネ=ゆきちゃん
だもんね……


■ストーリー
 どこかの国のツンツン王女・タルハーミネさまと、その奴隷ギィの恋の物語。
風習により、生まれたときからともに過ごしてきた二人は惹かれあっていたが、重い身分の差があった。王女に他国の王子と縁談が持ち上がり、ついに我慢できなくなったふたりは許されないと知りつつ結ばれてしまう。
発覚し咎めを受けることに。
合意でなく奴隷に犯されたのだと保身のため裏切ってしまう王女。ギィのみが処罰されることに。
実はこの国の先の王の子であったギィは砂漠に逃げ延び、復讐を誓う……




■照明やセットが異国情緒あふれて美しく、その砂漠で生涯を終えるラストと、冒頭のシーンのリンクが美しいです。
砂漠にはいろんな人生の終わりが埋まっているんだなあと感じました。


ギィ=明日海 りおさん
 ヤンデレになってからがさ……かっこいいよね!!。衣装も白から黒。
でもその前の、利発な奴隷少年時代も良いのです。みりおさんのここの演じわけすごい。時間がたったのがよくわかる。

 王女様つきの奴隷でずっと一緒にいて、聞き覚えただけで王女より勉強できるエピとかかっこいいんです。でも王女をさしおいて答えたと折檻をうけてしまう。
ウエクミ先生って……エピソードの組み込みかたがすごいうまいよね。
このシーンだけで、奴隷がいかにさげすまれてるかと、ギィの頭の良さがわかるもんね。あとキキちゃんがわざと的を外したエピと旦那さんがお水もってきてくれたエピもものすごい一瞬で人柄を観客にわからせてくれて素晴らしいと思う。

 さてギィですよ。
王族の子供に異性のおつき(奴隷)をつけてずっと一緒に成長させるという、この間違いうまれるに決まってるシステムですけど。

 そりゃ好きになるわ…ていうね。
身分違いどろどろラブを生み出すシステムじゃないですか……。

 とにかくみりおちゃんかわいそう……て思ってみてたら、まさかの反乱勢力のトップになるんだもんなー。
そして実は真の王子だったという、ベタなんだけど燃える展開ですよね。

 せつないラスト。
ほんとに熱演のみりおさん。

 ファンタジーな衣装も素敵だし、なんだろう、ほんとに主役だなあ、と。
この主役感すごい。
うまくいえないんだけど、主役でしかない感がすごい。


■第一王女タルハーミネ=花乃 まりあさん
 退団作にして、当て書きしてもらっただけあって本当に素敵な、ぴったりの役がもらえて良かったね。という感じ。
王女さまで衣装も豪華だし!。メインだし!。

 やせすぎちゃったのと、がなると台詞聞き取りにくいのが気になるかな。これはカレーもなので、奴隷との密通がバレるシーンはふたりがワーワー言ってるのがとにかく聞き取りにくかった。

 心配なくらいほそっとなっちゃってますが、人気・実力ともに高い明日海りおの相手役というプレッシャーはほんと大変だったろうと思うので、おつかれさま!ですね。

 子供時代のなんのかげりもない天真爛漫わがままお嬢さまっぷりがかわいい。

 でもあんまり両親にかわいがられてなさそうなのがね……


■ジャー=芹香 斗亜さん
ギィとかジャーとか、奴隷の名前擬音ぽすぎるv

こちらもすごくいい役なんですよね……っ
奴隷のジャーと王女べーちゃんの物語ももっとみたいんだ……!て思わせられるよ。
特にラスト泣ける。

 ずっと好きだったけど、時間もたって、それは恋愛というよりは妹や家族への愛情へと変わってきた、ずっと大事なあなたをこれからも守っていくみたいなことを……言うじゃないですか……(;_;)
どんだけいいヤツなんですかーーー!かっこいいいーーーー!て思うのと同時に、それは良かったなあ、って感じる。
ずっと恋愛の好きだったら、つらすぎるでしょ。好きな相手は別の身分のつりあう男と結婚して、子供できて、でもそれをずっと誰より近くで見守らなきゃいけない奴隷なんだもんね。ギィみたいにギラギラしてたらキキちゃんもヤンデレになってしまうもん。

でもこのふたりはならないんですよね。このカップル尊い……。
ききべー最高。

破滅型なギィタルハ、ジャハ王妃と比べて、ふたりの穏やかさには癒されます。

 なんといっても、腕前を隠して旦那さんになる人をたてたり、生き物に優しかったり、というあのシーンがなー。いいヤツ!
そして、奴隷にもわけへだてなくお水を渡してくれる旦那さんね……。
いろいろな思いはあるけど、こういうかたでよかった、とは思ってしまうよね。

 キキちゃんはカリスタもそうだけど、異国コスが似合いますね。
体格もいいのでこういう系でいってほしい。


■第二王女ビルマーヤ=桜咲 彩花さん
 ある意味タルハーミネよりヒロインらしい役どころで、ここにゆきちゃんを持ってきたほうが次のトップですよー感はあると思うんですが。
ここは適材適所ってことなんでしょうね。

 このはんなり、ほんわかとした彼女の雰囲気はなかなか出せないものがあります……かわいい……かわいい……!

 自分の愛する奴隷に優しくしてくれるからこのひとがいい、と夫を選ぶ彼女は潔いというか、運命は受け入れて、でも自分たちが生きるための最善を尽くすというか。
タルハー達より強くしぶといところがあるんだろうなあ。

 砂漠に追放されるけれど、彼女の未来は明るい。と思わせてくれる。そんなききべー。愛しい。


■ゴラーズ=天真 みちるさん
 かっこよくはないけど裕福で、ひとに優しくできる余裕のある善良なひと。
求婚者の中でもっとも結婚したいランキング高そうなのがゴラーズさんでしたね。
あせっかきさとか舞台上でコミカルで楽しかった。
最初はききべーを阻む存在かと思っていたのに、こんないい人がくるとは……


■テオドロス=柚香 光さん
 イケメンがきたぞーーー!

 主役カップルの当て馬なんですけど。
これが豪華で傲慢なイケメン王子というベタな……だがそれがいい。という展開なのです。

 あんなにスムーズに膝枕に持ち込むテクニック……!

 奴隷を足台にして馬車に乗ったりするタルハーミネにうわっ、てヒイた顔してるのかわいい。
この国の風習だいぶ特殊なんですね……という外の目を感じさせてくれます。カレーちゃんの国のほうが近代化してるのかな。

 セリフとかもなかなかにかゆい感じなんだけど、ものすごいサマになる。カレーのすごいところよ…………。
技術的に足りない部分はものすごくあるとは思うのですが、とにかくカッコいいだろ?で押し切られてしまうというか、こんなにかっこいいと文句出ないよ。という境地にはなる。
だってかっこいいもんなあ。


■王妃アムダリヤ=仙名 彩世さん
 みりおちゃんの母とか叔母とかやってた彼女が相手役に……というのも感慨深いです。
花娘からのトップというのも個人的にうれしい。
実力も非常に高いですしね(『リンカーン』はすごかった……)

 みりおさんを強力に支えてくれそう。
『ポーの一族』は原作知らないのでなんともいえないけどとりあえず楽しみにしている。
まずは卑弥呼だけどね。

 王妃は感情を表に出さず、ひとり楽器をひいている美しいひと。
タルハにもギィにも、誰にも特別な感情を見せていない感じですね。
内にはいろいろあるんでしょうけども。

 ギィを逃がしに現れたときだけ、苦しみを少し出したくらいで。
神秘的で吸引力のある人、というのが伝わります。

 仇であり夫のちなつの死に見せた表情にどきっとします。
ここの……愛憎あふれるハーレクインなふたりももっと見たかった!!


■ジャハンギール=鳳月 杏さん
 月雲をこえるかも……な萌え衣装きた!!

 月雲のちなつが私のベストでしたが、ジャハンギールの威厳にやられる。

 こういう役ができる強力な役者が花にいるというのが嬉しい……。

 バウ主演もよかったけど、やっぱりこういうちなつさんのが好きだな。

 死に方もしびれるほどのかっこよさ。

 若い時をつかさくんが演じたのも嬉しい! つかさくんがんばれー。


■プリー=瀬戸 かずやさん
 プリーはないよ……あきらさんにプリーて……(´;ω;`)

 普通の青年奴隷。という感じを出してくれてて、物語でちょっと明るい部分。
主君のわがままに怒ったり、プチ仕返ししたり、ギィを心配したり、いいやつ。


■第三王女シャラデハ=音 くり寿さん
 若草物語のエイミーちゃんみたい。
すごい動き方とかも幼女でかわいい。
歌うと美声すぎてびっくりするけど、劇中は歌なしでしたね。
しかしものすごい歌うま。


■ソナイル=冴月 瑠那さん
 おたおたしてるお坊ちゃんぽさがかわいかった!
衣装も独特でしたね。なんだかんだシャラデハと仲良くやってそう。


■ザール=水美 舞斗さん
出てくるの遅いよーでもかっこいい!
細面な美人さんなのに、なんでか男っぽい。なんでか不良っぽい。
セリフも聞き取りやすかった。


■『雪華抄(せっかしょう)』
とても良かった!。
楽しい!。派手!
みりおさん美しい!

原田先生グスタフでトラウマものだったけど(しつこくってすみません)、ショーいいじゃん!



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ラベル:花組
posted by イナ at 01:22| Comment(0) | 宝塚・観劇レポ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする